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給与トラブルで軟禁の米社長 6日ぶり解放

2013年07月01日

【新唐人2013年7月1日付ニュース】北京郊外にある医療機器メーカーのアメリカ人社長が給与をめぐるトラブルで、6月21日から従業員らによって軟禁されていましたが、27日に解放されました。

 

アメリカ・フロリダ州コーラルスプリングの医療機器メーカースペシャリティー・メディカル・サプライズ(Specialty Medical Supplies)のチップ・スターンズ社長が、北京工場の140人の従業員らに軟禁されて6日目になる6月26日、メディアを通じ、外部に助けを求めました。

 

Specialty Medical Supplie社 スターンズ社長 

「彼らは私のそばに立ち、どこかへ行こうとすると、十数人がついて来ます。全てのドアはが塞がれ、出ていくことが出来ません」

 

今回の事は、スターンズ社長が北京工場のプラスチック部門を閉鎖し、業務をインドのムンバイへ移転する話から始まりました。このため、6月18日に北京に来た社長は同部門の従業員30人に対し非常に手厚い退職手当を支給しました。

 

その後、工場が全て閉鎖されるという噂が流れ、約100人の従業員が同等の退職金支給を要求しました。スターンズ社長は、ほかの従業員を解雇する考えのないことを説明しましたが、従業員たちは昼夜を問わず出入口を塞いだうえ、社長室をライトで照らし、窓を叩き、夜も眠らせないようにしました。

 

従業員の代表者は、軟禁の理由を“2か月分の給与未払い”と話しています。また、インドからの代表が工場の写真を撮り、敷地内の樹木を売り払ったことを目にし、工場が閉鎖され、補償金も支払われないのではないかと心配したと話しています。

 

しかしスターンズ社長は、未払い給与はすでに支払い済みであると話しています。

 

Specialty Medical Supplie社 スターンズ社長

「一部誤解があり、彼らは給料をもらっていないと思ったようです」

 

22日、スターンズ社長は合意書に署名させられ、従業員の要求は満たされました。

 

中国外務省の報道官は25日の定例記者会見で、具体的な状況はわからないと述べました。

 

中国外交部 華春瑩報道官

「私も関連報道を見ましたが、具体的な状況は分かりません」

 

アメリカ・サウスカロライナ大学の謝田教授は、これは本来ただの労使トラブルなのに、このようなレベルまで発展するのは中国の民衆が司法制度に対し信頼していないからだと指摘します。

 

米サウスカロライナ大学 謝田教授

「悲しむべきは民衆が司法に対し、自信を失っていることです」

 

謝田教授は、労働力と海運コストの上昇、環境汚染や当局の恣意的な政策により中国投資の魅力が無くなりつつあり、今回の事件も中国人労働者のこのような状況に対する焦りが映し出されていると述べています。

 

米サウスカロライナ大学 謝田教授 

「1〜2年前から、韓国企業が中国から大規模な撤退を始め、今は多くの米国企業も撤退し始めています」

 

ある専門家は、金融と経済情勢の悪化に伴い、中国社会の様々な揺れ動きと民衆の焦りがさらに深刻化していくことを憂慮しています。

 

スターンズ社長は10年前から北京で医療機器工場の経営を始め、約200人を雇用しています。6月27日、従業員と合意に至り、6日ぶりに解放されました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/06/26/atext920620.html (中国語)

(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/工)

 

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